メハーゲングループが開発した12誘導心電図伝送システム、スクナとは、救急隊の皆さんから搬送先の医療機関へ、傷病者の心電図を病院到着前に伝送できる、クラウド型のプレホスピタルデータ共有システムです。 心疾患を疑う傷病者の搬送時以外にも、失神や脳卒中を疑う傷病者の心電図伝送や、外傷の状態を搬送先の病院と共有するなど、救急隊のみなさんと、院内で治療を行う医療スタッフの皆様、両者に貢献できるバイタルデータ共有システムです。
SCUNA(スクナ)の主な機能
メハーゲングループが提供する、12誘導心電図伝送システムには、心電図以外のプレホスピタルデータも共有できる、画像伝送機能や、救急車両の病院到着までの距離や時間を把握できる位置情報機能も備えています。
救急医療現場での情報共有システム
- 心電図伝送機能
- 活用例1救急車から病院へ
- 活用例2ドクターカー、ドクターヘリから病院へ
- 活用例3在宅医療現場から地域医療連携病院へ
- 画像伝送機能
- 活用例1救急車両から病院へ(外傷・傷病者容体、現場情報)
- 活用例2病院から専門医へ(シネ画像、脳疾患画像関連データ、等の一次情報)
- 活用例3〈応用編〉救急車両&ポンプ車両から救急指令センターへ(災害時現場情報共有)
- 位置情報共有機能
- 活用例1救急車両から搬送先病院へ(現在地情報共有)
- 活用例2救急車両からドクターカー・ヘリへ(ドッキングスポット共有)
- 活用例3〈応用編〉救急車両&ポンプ車両から救急指令センターへ(災害時活動位置共有)
- 本システムで共有できる主なデータ
- 12誘導心電図 ノイズに強い、専用のモバイル12誘導心電計を活用
- 静止画・動画データ
- GPS位置情報データ
SCUNAの主な活用例
SCUNAのシステム全体像
救急搬送車内で記録され、モバイル端末からクラウドサーバーにアップロード(セキュア通信)された12誘導心電図に循環器専門医が遠隔からアクセスすることで、搬送段階での心電図確認・トリアージを可能とします。
必要に応じて、モバイル端末で撮影した動画・静止画ファイルも同様に、アップロードおよび遠隔アクセスすることが可能です。
- ❶ 心電図・画像の記録
- 〈心電図〉12誘導心電図の記録:専用の心電計(EC-12RM)をBlutooth連携
- 〈画像〉静止画や動画の記録:専用アプリを搭載したスマートフォンを活用
- ❷ データ伝送:プレホスピタル
- 心電図と画像の伝送:スマートフォン内の専用アプリよりアップロード
- クラウドサーバーへ格納:セキュアな通信・格納環境
- ❸ データ閲覧:病院内など
- 医療機関などから閲覧:同時に複数のPCやスマートフォンからセキュアに閲覧可能
- 心電図・画像はクラウドサーバーからダウンロードして保存も可能
- ❹ 心電図・画像情報をもとに、院内で治療準備を開始
- ※送信用スマートフォン端末からは、クラウドサーバー格納と同時に自動削除可能な機能もあります。情報漏洩の防止対策も可能です。
SCUNAの特徴
- ❶ 操作が簡単
- 誰もが簡便に操作ができるシステムです。
- ❷ 静止した標準12誘導心電図
- 10~20秒間の12誘導心電図をA4一枚に表示します。動的モニタリングではないため、閲覧側の負担も軽減できます。
- ❸ 高解像度
- 専門医の診断に必要な高解像度の
- 完全12誘導心電図を伝送できます。
- ❹ ノイズに強い
- 車両が走行中でも基線がゆれず安定した
- 心電図を記録できます。
- ❺ 何度でも伝送可能
- 傷病者の様態変化に合わせ、ワンクリックで繰り返し心電図伝送が可能です。
- ❻ 時系列に事案ごとすべてのデータを閲覧できます。
- 傷病者1人毎に、時系列に画像と心電図が一括して閲覧できます。
- ❼ 安全な環境を構築しています。
- セキュアに伝送できるシステムを構築しています。メールやSNSなどは使っていません。
- ❽ 複数の場所から、複数の医療者が同時に閲覧できます。
- クラウド型のシステムであり、複数の医療者が同時にそのプレホスピタル心電図や画像を閲覧できるシステムです。院外にいらっしゃる先生がどこでも心電図を確認することができます。
SCUNAの背景と目的
背景
- ❶ DoorToBalloonTimeの短縮が課題
- 国内の実証試験にて、12誘導心電図の病院前伝送によりDoor To Balloon Timeが約30%短縮されると確認されました。
- 各地の本格運用地域より学術集会で、継続的にDTBの短縮効果が発表されています。
- ❷ 診療報酬加点 JRCガイドライン改定
- 平成26年度診療報酬改定により、『Door to Balloon Time ≦ 90分』で10,000点の加点がされることになりました。
- ❸ 12誘導心電図伝送システムの普及率停滞の歴史
- 過去に開発された12誘導心電図伝送システムを導入した医療圏でも、ICT技術の未発達、操作・閲覧の煩雑さや、導入コストの高さなどから課題を抱え、十分普及・活用ができていない地域がありました。
目的
- ❶ 生命予後、FMCTBTの短縮
- 病院到着前に、病院で心電図を閲覧できるため、患者の受入れや処置開始準備が早くなり、DTBの短縮に貢献します。
- 結果として、First Medical Contact to Balloon Time短縮に貢献することを目指しています。
- ❷ 医療機関と救急隊のコミュニケーション強化
- 病院到着前の状態をより、画像も活用することで詳細に救急隊から医療機関へ共有できます。
- 地域における医療機関と救急隊とのコミュニケーションが強化されることを目指しています。
- ❸ 廉価・高操作性・高セキュリティを追及
- 伝送ができる心電図として、ハイセキュリティで導入しやすい価格を追及しています。
- 専用アプリケーション“SCUNA”を使い、医療現場における機能向上や、操作性の向上を追求し続けます。
SCUNAの導入メリット
クラウド型12誘導心電図伝送をおこなうことにより、急性心筋梗塞の早期発見と治療が可能になるため、搬送患者の予後改善にもつながります。
また、失神患者やST上昇を伴わない心疾患など、診断に有用な心電図の取得は重症患者の早期発見にも寄与します。
- 患者様のメリット
- 胸部痛など、心疾患を疑う症状のある救急搬送の際、症状が発生した最も近い距離と時間において救急隊や医療スタッフが12誘導心電図や外傷等の画像をとり、病院到着前に病院と共有することで専門医の判断を仰ぐことが可能となります。
適切な治療を受けられる専門の施設にいち早く搬送してもらうことで、治療後の生命予後に影響するといわれる治療開始時間が、少しでも短くなる可能性が高まります。
- 病院のメリット
- 患者さんが病院に到着する前に、心疾患疑いのある患者の12誘導心電図や画像情報が共有されることで、患者さん到着後に必要な治療方針や準備、スタッフの皆さんの招集をスムーズに行える可能性が高まります。
また、特にに急性心筋梗塞の場合は、患者さんの病院到着から治療開始までの時間を短縮することでDoor To Balloon Timeの短縮を目指すことができます。
メディア掲載
雑誌
❶ 『月刊/近代消防』に12誘導心電図伝送システム(スクナ)の導入事例が掲載されました
- 【連載記事一覧】
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- 2023年7月号
- 【不定期連載:第3回(福島市特集)】 救急車からの12誘導心電図伝送で命を守る 県・市・医療機関の連携で県内全救急車にシステム導入を目指す!
- 2019年12月号
- 【不定期連載:第1回】 プレホスピタルからの12誘導心電図伝送で命を守る
- 2018年12月号
- 【連載:第10回/最終回(北海道室蘭・登別特集)】北の大地で始動するプレホスピタル救急医療 北海道・室蘭と登別の挑戦
- 2018年10月号
- 【連載:第9回(大分県特集)】非PCI施設が支える心電図伝送! 大分県広域医療ネットワークの取組
- 2018年8月号
- 【連載:第8回(京都府丹後地区特集)】健康長寿の京都・丹後地区でOnset to Balloon Time 90分以内を目指す!
新聞
❶ 共同通信社の記事で取り上げられ、全国の地方紙を中心に新聞紙面へ掲載されました。
- 【掲載新聞一覧】
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- 〈2018年〉
- 山陰中央新報(10/15)
- 愛媛新聞(10/15)
- 宮崎日日新聞(10/16)
- 京都新聞(10/16)
- 山陽新聞(10/16 夕刊)
- 茨城新聞(10/18)
- 日本海新聞(10/18) 他
製品仕様
【12誘導心電計 仕様】
入力インピーダンス | 2MΩ以上 |
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周波数特性 | 0.05-150Hz |
サンプリング周波数 | 500Hz |
デジタルビット数 | 16ビット |
フィルター機能 | 交流、筋電図、基線 |
通信 | 無線通信(iOS:Wi-Fiのみ/Android:Bluetoothのみ) |
電源 | 2.4V(1.2V充電電池2本) |
【12誘導心電計 装置規格】
安全性 | クラスBF形 |
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寸法 | 約 幅70×高さ125×奥行33(mm) |
質量 | 110g |
医療機器認証番号 | 219AIBZX00051000 |
【スマートフォン・タブレット規格】
OS | iOS 9.1以降 |
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Android 4.0以降 | |
プロセッサ | ARM |
【対応ブラウザ(心電図閲覧時)】
Internet Explorer 10以降 / Chrome / Firefox / Safari |
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